第5章 正しいシャンプー法|ルチアの育毛

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第5章 正しいシャンプー法

ヘアケアの基本はシャンプー

私が小さかったころ、近くの空き地に三軒の家が建てられ、両端の家には、新婚らしい若い夫婦が住むようになったが、なぜかまん中の家は空家の状態が続いたままだった。
同時に建てられた家なのに、一方の家だけが眼に見えて古びてゆくのに、もう一方の家は新築時とあまり変化がなかった。
子ども心に観察していると、まもなく二軒の家の違いは、その家の主婦の生活態度に反映されたものだと判明した。
いつまでも新築当初のままの状態であった家の主婦は、毎日家の隅々まできれいに清掃していたが、一方の主婦はたまにしか掃除をしなかったために、家の傷み具合に著しい差が生じたのである。
これらの違いは、たとえば台所で使用する鍋の汚れ具合にもあらわれる。
ためしに毎日使用するふたつの鍋の一方を、内外とも磨き、残る鍋を内側だけ洗ってみるとよくわかる。内側と外側を毎日磨いた鍋は、二十年使用しても新品とあまり変わらないが、内側だけ洗った鍋は数年の内に見るも無惨に汚れてしまい、買い換えを余儀なくされてしまう。
要するに、人が住む家も、煮炊きに使用する鍋も、毎日の手入れを怠らなければ、いつまでもきれいな状態を保てるのである。

同じことは髪や肌についてもいえる。戦後になって家庭風呂の普及にともない、日本人の入浴回数が普及前にくらべて急速に増え、ほとんどの方が毎日風呂に入るようになった。それにともない、女性たちの肌年齢も年々若くなっている。もちろんその裏には、化粧水や乳液など基礎化粧品類が進歩したお陰もあるが、なによりも、毎日の入浴で肌の汚れを翌日に持ち越さなくなったことが最大の理由といえる。
ところが中には、『洗髪すると毛が抜ける』と信じ込んで、風呂に入っても髪を洗わない方がいる。
そんな方に限って脱毛症に悩んでいるのであるが、頭皮の汚れによって起こる毛母細胞の呼吸困難が脱毛症の最大の原因であることを考えれば、しごく当然の結果なのである。風呂に入っても髪を洗わないのは、入浴時に顔を洗わないのと同様に不自然で不衛生な行為であるばかりでなく、頭皮についていえば脱毛症につながるので、ぜひとも改めていただきたいと思う。
いつまでも健康な髪の毛を保つには、髪と頭皮を常に清潔に保たなければならず、そのためにも毎日の洗髪を習慣づけていただきたい。
ここで、正しいシャンプー法を図(正しいシャンプー(洗髪)の仕方)に示す。
正しいシャンプー(洗髪)の仕方

コンディショナーの使用で髪長もち

一般に、男性の方は洗髪後、「コンディショナーを使用すると、脂性がひどくなってしまう」と誤解して、コンディショナーを使いたがらない傾向があるが、むしろ逆で、コンディショナーを正しく使用すると、脂性は解消される。
また、女性たちの中にも、コンディショナーの役割を、単に「洗髪後の髪の櫛通りをよくするため」に使用するものと勘違いしている方が意外に多いが、コンディショナーは、洗髪後の髪と頭皮のpH(アルカリ度・酸性度)を整えるのが主目的で使用するものである。
頭皮を含む人の肌は、弱酸性の状態がもっとも望ましいが、洗髪直後の皮脂が洗い落とされた髪や頭皮は、アルカリ度が強くなる。近ごろ流行の『弱酸性シャンプー』を使用した場合もこのメカニズムは変わらない。これは、洗浄剤を使用したときばかりでなく、水やぬるま湯で洗顔した際に、顔が突っ張るのと原理は同じである。
つまり、洗顔、シャンプーなどで保護膜(皮脂膜)が失われたためにあらわれる現象なのである。
入浴直後や洗顔後に化粧水や乳液を使用すると、この肌の突っ張り感は直ちに解消されるが、これは、化粧水や乳液の配合成分の作用で、pHとともに、人工の保護膜が整えられるからである。しかし、化粧水などを使用しなくても、ある程度時間が経過すると、やがて突っ張り感は薄れる。肌を乾燥などのトラブルから保護するために、洗顔直後は皮脂が大量に分泌され、猛スピードで保護膜(皮脂膜)が形成されるからである。
不精な方が、化粧水などを使用しないで過ごせるのも、このためである。ただ、そういった方の肌は、化粧水などを使用する方と比較すると、老化が早くなってしまう。
この事実は、基礎化粧水の普及にともなって女性たちの肌年齢が若くなっているのを見ても、容易に理解できると思う。
同様に、洗髪直後の頭皮は、フケ、かゆみなどのトラブルが起きないように、大量の皮脂が急速に分泌されて、猛スピードで保護膜(皮脂膜)を形成させる。
コンディショナーの効用
皮脂は本来、保護膜形成のために分泌されるものであるが、分泌量が多すぎてもよくない。洗髪後の髪にコンディショナーを使用すれば、肌に化粧水や乳液を使用するのと同様の効果が得られ、必要以上の皮脂分泌が抑さえられるので、面倒がらずに必ず使うようにしていただきたい。
保護膜(皮脂膜)のもっとも大きな役割は、頭皮の呼吸を妨げることなく表皮水分を保持することである。
したがって、コンディショナーは、大豆などに含まれる油脂「レシチン」や最も保水力が高い成分である「ヒアルロン酸」などが配合されているものが理想である。
また「コンディショナーはヌルヌルして嫌だ!」といって、ぬめりがなくなるまで洗い流す人が多く見られるが、『髪と肌はの成分は同じ』というコンセプトに従って作られ、洗顔後の乳液としても使用できる弊社のコンディショナーに限っていえば、実はコンディショナーのヌルヌルが保護膜となって、シャンプー後の髪と頭皮を健やかに保つので、完全に流してしまっては、使用する意味がなくなってしまう。
正しいコンディショナーの効用
しかし、市販のコンディショナーは、皮脂膜のような保護の働きは二の次に考えていて、単に櫛の通りをよくするために油膜を作ることを目的としており、かえって頭皮の呼吸を妨げるものが多いので注意が肝要である。
なかには、「コンディショナーの成分を残さないよう」勧めるものまであるが、コンディショナー本来の目的からして、そのような商品は使用する意味がないばかりかトラブルの元と考えたほうがよい。
髪をベストコンディションに素早く整え、しかも必要以上の皮脂分泌を抑えるためにも、必ず肌にもよい成分で作られたコンディショナーを使用することが肝要である。