薄毛は人災

第2章 本当は怖いシャンプー法

1.皮脂を根こそぎ落とすシャンプー

 シャンプーの目的は汚れを落とすことですが、その際最も大切なのが髪と頭皮を傷めない ことです。
 洗浄力の強い洗剤で洗顔すると肌荒れが起こるように、洗浄力の強いシャンプーは汚れを落とすと同時に、髪を傷め、頭皮に肌荒れなどのトラブルを引き起こします。そのうえ、頭皮を護るために皮脂が過剰に分泌されるようになります。
 皮脂を徹底的に洗い落とそうとして洗浄力の強いシャンプーを使うと、フケ、かゆみ、脂性、抜け毛を招き、薄毛が進行します。
刺激の強いシャンプー

2.ブラシなどを使って頭皮を洗う

 ブラシなどで頭皮を洗うと、頭皮に必要以上の刺激と摩擦が加わり、角質が剥がれ落ちるだけではなく、ブラシの形状によっては頭皮を傷つけてしまうこともあります。
 多くの場合、フケ、かゆみ、脂性の原因になってしまい、髪が細くなったり抜けたりして薄毛が進行します。
 なお、写真にある白いカタマリを、毛穴に詰まった皮脂と勘違いされがちですが、実は毛穴の中から分泌された直後の皮脂で、この後、汗腺から分泌される汗と混じり合って保護膜と呼ばれる透明な皮脂膜になります。無理に取り除こうとすると、かえって分泌が促進されて脂性などのトラブルにつながります。
 このように皮脂のカタマリが確認できる頭皮はきわめて健康な状態です。

200倍スコープで拡大した頭皮
ブラシで頭皮を刺激する

3.頭皮を長時間洗う

 頭皮や毛穴には育毛の大敵になるしつこい皮脂汚れがあると考えて、頭皮を5 分以上入念に洗う人があとを絶ちませんが、薄毛を招く大きな原因のひとつが頭皮の洗いすぎです。
 頭皮にシャンプーをつけて長時間洗うと、皮膚がむけたり肌荒れが起きるだけではなく、ふやけた頭皮は傷つきやすいので、そこにシャンプー剤が入るなどして発疹や吹き出物なども出来やすくなります。また、脂性も促進されます。繰り返すと抜け毛を招き、薄毛を進行させます。
頭皮の洗いすぎ

4.シャンプーをつけたまま時間をおく

 「頭皮の汚れを完全に落とすために、シャンプー剤をつけたまましばらく時間をおいてから洗う」という方法を実践している人がいますが、非常に危険な行為なので絶対になさらないでください。
 シャンプーは汚れを落とすための洗浄剤です。洗浄剤を頭皮に長い時間つけたままにすると、頭皮を傷めてしまい、かゆみや抜け毛を引き起こします。さらに水分を吸収しやすい髪の毛に洗浄成分が浸透してしまい、枝毛、切れ毛、パサつきなどの原因となります。
シャンプーをつけたまま時間をおく

5.リンス・トリートメントを兼ねたシャンプーを使う

 どのように良質な品であっても、洗浄成分は絶対にお肌に残してはいけない成分です。同様に、洗浄剤であるシャンプー剤は、絶対に髪に残すことなくきれいにすすぎ落とさないと頭皮の肌荒れ、枝毛、切れ毛の原因になります。
 反対に、リンスやトリートメント剤は、美容成分を髪に残す(浸透させる・保護する)ことを目的としています。
 トリートメントinシャンプーなどは、この相反する2つの目的を同時に行えると錯覚されますが、決して残してはならない成分と、成分を残さなければいけない行為を一度に行うことはできません。
 美容成分と一緒に洗浄成分まで髪に吸収され、深刻なトラブルを招く恐れがあります。
 リンスやトリートメントは、シャンプーで汚れを落としてきれいになった状態の髪にお使いください。
枝毛・切れ毛・ゴワツキ

6.1日に何度もシャンプーをする

 私たちの身体は、洗髪、洗顔によって保護膜(皮脂膜)が失われると、肌を護るために大量の皮脂が急速に分泌されて新しい保護膜を形成する仕組みになっています。
 1 日に何度も洗髪を繰り返すと、皮脂の大量分泌が習慣化されて、皮脂が過剰に分泌されるので、頭皮はすぐに脂っぽくなり、またすぐに洗髪をするという悪循環を招き、深刻な脂性を引き起こすことになります。
 洗髪は、よほど大量の汗をかいた場合を除いて、1 日1 回、入浴の際に行うだけで十分です。
1日に何度もシャンプーをする

7.爪を立てて洗う

 顔や腕を爪を立てて引っ掻くと、簡単に傷がつきますが、頭皮も同じで、爪を立てて洗うと角質が剥がれ、頭皮を傷つけてしまいます。傷がついた頭皮にシャンプー剤がはいると様々な頭皮トラブルを引き起こし、大変危険です。
 頭皮は爪を立てずに指の腹でゴシゴシと洗うようにしてください。
爪を立てて洗う

8.もむようにゆるく洗う

 頭皮の汚れのひとつは、古くなって剥がれる角質(アカ)です。もむようにゆるく洗っただけでは、アカはきれいに落とすことができません。シャンプーのときの洗い残しは、大きなフケとなって頭皮に積もり、抜け毛の大きな原因 になります。また、かゆみや吹き出物など様々な頭皮のトラブルの元です。
 シャンプーをするときは、怖がらず、頭皮を指の腹でゴシゴシとしっかり洗ってください。
もむようにゆるく洗う

9.2度洗いをする

 シャンプーは、時間とともに酸化した皮脂と、古くなって剥がれる角質(アカ)を洗い落とす行為です。
 シャンプーで表皮の一番外側のアカとなった角質を洗い落とすと、新しい角質層が表面にあらわれます。この生まれたての角質層(肌)は刺激に弱く、2 度洗いをして、1 度目のシャンプーと同じように頭皮を洗うと、使うシャンプーに関わらず、肌荒れを引き起こす可能性があります。
 汚れがひどいなどで2 度洗いをする場合は、1 度目のシャンプーでは表面の汚れを落とすように軽く洗い、2 度目のシャンプーでゴシゴシと頭皮を洗うようにしていただくと、泡立ちもよく、汚れをきれいに落とせます。
2度洗いする

10.殺菌効果のあるシャンプーを使用する

 皮膚にはたくさんの「常在菌」と呼ばれる菌が生息し、皮膚についた雑菌から私たちの身体を護ってくれています。
 殺菌効果のあるシャンプーを使い続けると、生命力の強い常在菌も打撃を受けて、徐々に働きを弱めてゆき、中には死滅してしまう常在菌もいます。殺菌効果は、悪玉のばい菌だけではなく、善玉の常在菌にも影響を及ぼしてしまうのです。
 雑菌に対して抵抗力のなくなった頭皮は炎症などのトラブルが起きやすくなります。
 殺菌効果のあるシャンプーは、主にフケ用シャンプーとして販売されていますが、フケは正しいシャンプー法で解消できますので、殺菌効果のあるシャンプーを使用する必要はありません。
殺菌効果のあるシャンプーを使用する

11.髪の毛だけを洗う

 髪の毛だけを洗うと、髪の毛を覆っているキューティクル(毛の表面を覆う硬いたんぱく質層)が互いにぶつかりあって壊れてしまい、その結果、枝毛や切れ毛などのトラブルを発生させてしまいます。
 髪の毛の汚れは、頭皮を洗う時にできるシャンプーの泡と一緒に洗い流せますので、意識的に髪の毛だけを洗う必要はありません。
髪の毛だけを洗う

12.シャンプー前に頭皮にオイルなどを付ける

 皮脂を溶かして落とすために、シャンプー前に頭皮にオイルをつけてマッサージをすると良いという情報が出回っていますが、この行為は、かえって汚れをきれいに落とせなくなります。
 汚れた手を洗う前に、オイルをつけてマッサージをするとどうなるか?と考えればお分かりいただけるように、かえってオイルと一緒に髪と頭皮に汚れが残ってしまう恐れがあります。
シャンプー前にオイルを塗る

13.すすぎを簡単に済ませる

 配合成分の内容に関わらず、洗浄剤であるシャンプー剤を残したままで、髪と頭皮にドライヤーの熱や日光が当たると、洗浄剤が化学変化を起こし、大きなダメージを与えてしまいます。
 シャンプーは、汚れを浮かせて、泡で包み込み、その泡を完全にすすぎ落とす行為です。
 すすぎはシャンプー剤が残らないように丁寧に行ってください。
すすぎを簡単に済ませる




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